僕たちの会話を聞いていたのか

 王子様コンテストで優勝しちゃいそうなほど
 綺麗な顔をした、みやちゃんがやってきた。

 司会のお姉さんモードの明梨んと
 微笑みながら。



 今までだったら、
 みやちゃんと明梨んのツーショットを見るたびに、
 胸が苦しくて、たまらなかったけど。

 もう、そんな苦しさは襲ってこない。



 今は、みゆうみゅうに会えない苦しさに
 襲われてばっかりだけどね。



 突然、僕の脳に映し出された
 みゅうみゅうの笑顔。



 隣に並ぶ彼氏さんの幻影が
 現れそうになった時



「ちょっと来い!」



 威圧感のあるマー君の声が
 見たくない幻影を、消し去ってくれた。