「美羽ちゃんの隣にいるのは?」



 慶介くんの素朴な質問に
 目を泳がせながら
 戸惑う私。



 え……と……


 私の隣にいる
 不審者として通報されそうなほど
 全身真っ黒な人は……


 私の好きな人で……
 アイドルで……



 って、ダメダメ。

 春輝くんの身元をバラしちゃ
 絶対にダメ!!



 う……

 なんて説明したらいいんだろう……



 困り果てた梅干しみたいに
 顔じゅうシワくちゃになった
 私を見かねたのか

 春輝くんが
 お花畑を飛び回るチョウチョのような
 癒し系の声を発した。



「僕ね、美羽ちゃんの彼です」


 え?


 えぇぇぇぇぇぇ??!!


 まさかの
 カップル設定??!!