秘書 Side

俺も社長を恨んでやまない。
あの日の事を忘れたことなんてない。
俺の大切な仲間を、大切な親友を殺したこと…。
俺の親友は体が弱く、入退院を繰り返していた。
しかし、ある時効果的な治療薬が見つかったと俺に嬉しそうに報告してきてくれた。
なのにそれは、調合を誤った劇薬で、
それを飲んだ親友はそれを含んでわずか1時間で亡くなったという。

しかし、社長さあらゆるコネを使ってその事実をもみ消し、挙句の果てには被害者遺族である親友の遺族を恐喝してこの件をなかったことにした。
人間のクズだ。

そしてまた1人、俺と同じ目に遭ったという女の子を拉致した。
可愛いから、抱くだけ抱いてダメになったら始末する魂胆なんやろうな。
俺はこいつのできるだけ側近になり、全部罪を認めさせて殺そうと計画していた。

「…監視役、あなたしか出来ないの?」
[松井さんの秘書は俺しかおらんからな]
「他の人に頼むとか、出来ないの?」
[ふふ、俺そんなに嫌われてんの?]
「嫌…こんなこと言うの変かもだけど。
ずっと見張っててしんどくない…?」
[しんどいで?でもその前に自分の身の上心配しいや笑]

ホンマに、俺は君の監視なんかせんと今すぐ逃がしてやりたい。
でも、そしたら俺の計画が台無しになってまうから。
せやからごめんな。ここでは大人しくしとらなあかんねん。

けど、せめてこの子の言う通り最後に9人に会わせてあげたい。
やからメモを渡して伝言することにした。