檜の場合は、単に男子高校生と言う若さ故かもしれないが、会うと必ずと言って良いほど、シていた。

 それに檜とは元々体の相性も良かった。

 当時を思い出すと、幾らか胸がギュッと詰まった。

 つい雑な手付きで、日記帳を開いてしまい、一枚の写真がハラリと流れ落ちた。

 それを手に取り、胸の奥で何か疼くものを感じた。

 いつの日かロンドンで写した一枚の風景写真。満面の笑みを浮かべる檜と撮った、ツーショット写真だ。

 この頃はまだ若かった。見た目もそうだけど、考え方も。

 あたしは日記帳を鞄の中に仕舞うと、布団にくるまり、眠るため、目を閉じた。


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