体が重い、と感じた。心身ともに疲弊しきっているのに、眠りですら挽回(ばんかい)できない。 苦い顔で俯いたまま、しかし呼吸が幾分楽になった事には安堵し、僕はそろりとベッドから抜け出した。 フローリングの床を素足で踏み、思わず身震いしてしまう。 「……最悪の目覚めだ」 誰に吐くでもなく、愚痴がこぼれた。 冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し、ひと口喉に流し込む。 眠るのが怖い、憂鬱だ。そう思うようになったのは、いつからだろう。 チラと壁の時計に目をやると、時刻はまだ午前五時だった。 ***