そんな時。タイミングが良いのか悪いのか、僕の携帯に着信があった。
電話の相手は、ディスプレイから明らかな様に、マネージャーの竹ちゃんだ。
「ごめんちょっと」
僕はソファーから腰を上げ、寝室に向かう。
お疲れ様です、と言って回線を繋ぐと、竹ちゃんは明日の収録現場で言い忘れた事があったと謝り、矢継ぎ早に用件だけを伝えてくれた。
電話を切り、寝室の外に目を向けた。扉は閉めているので、今茜がどんな状態かは窺い知れないが。
僕は気が重く、ため息を落とした。
リビングへ続く扉を開けると、さっきまで座っていたソファーにその姿はなく、すぐ側のゴミ箱の前に、茜は座り込んでいた。
「茜……?」
どうしたのだろう、と顔を見ると、やはり彼女は未だ泣き顔で、顎に滴らせた涙をポタリと床に落とした。
茜は僕に心配させまいと気丈に振る舞い、ぎこちない笑みを浮かべた。
「……ごめんね。お節介かなって思ったけど、ゴミが一杯だったから。わたし、出しておくね?」
「……ああ、うん。悪い」
ーーそれでそんな所に座っていたのか。
セフレを解消するのが辛く、何か別の事をしていないと気が滅入る。理由はそんな所だろうか。
僕はそれ以上、何も言えなかった。
「じゃあ。わたしはもう、帰るから」
茜はゴミ袋を一つ持つと、そそくさと玄関に向かった。
その動作は挙動不審で、いつもの茜らしく無かったが。
彼女に罪悪感を抱く僕は、気にも留めなかった。
***
電話の相手は、ディスプレイから明らかな様に、マネージャーの竹ちゃんだ。
「ごめんちょっと」
僕はソファーから腰を上げ、寝室に向かう。
お疲れ様です、と言って回線を繋ぐと、竹ちゃんは明日の収録現場で言い忘れた事があったと謝り、矢継ぎ早に用件だけを伝えてくれた。
電話を切り、寝室の外に目を向けた。扉は閉めているので、今茜がどんな状態かは窺い知れないが。
僕は気が重く、ため息を落とした。
リビングへ続く扉を開けると、さっきまで座っていたソファーにその姿はなく、すぐ側のゴミ箱の前に、茜は座り込んでいた。
「茜……?」
どうしたのだろう、と顔を見ると、やはり彼女は未だ泣き顔で、顎に滴らせた涙をポタリと床に落とした。
茜は僕に心配させまいと気丈に振る舞い、ぎこちない笑みを浮かべた。
「……ごめんね。お節介かなって思ったけど、ゴミが一杯だったから。わたし、出しておくね?」
「……ああ、うん。悪い」
ーーそれでそんな所に座っていたのか。
セフレを解消するのが辛く、何か別の事をしていないと気が滅入る。理由はそんな所だろうか。
僕はそれ以上、何も言えなかった。
「じゃあ。わたしはもう、帰るから」
茜はゴミ袋を一つ持つと、そそくさと玄関に向かった。
その動作は挙動不審で、いつもの茜らしく無かったが。
彼女に罪悪感を抱く僕は、気にも留めなかった。
***



