桃井さんの話から、僕は疑念を晴らすためカイの部屋を訪れた。
カイは過去の問いに対してサラリと答えた。
盗撮した携帯の持ち主は、今もプロダクションでスタッフとして働く上河 茜だった。
そして、茜だと知っていて黙っていたのはメンバーを思っての事だと答えた。
あの頃、幸子に捨てられるような形で別れた僕は、いつも何かにつけて苛々していた。
あのタイミングで、最早別れの元凶とさえ思える写真の出所が茜だと知れば、僕はきっと彼女を乱暴に責めていただろう。
カイはそれを見抜いて黙っていた。
当時、茜とはプロダクションでいつも顔を合わせていたし、険悪な雰囲気になればカイだけではなく、陸と陽介にも迷惑がかかる、それを理由にだ。
「……けど今となっては、言ってても良かったかなって思うよ」
そう言ってカイは意味深に笑った。
え、と呟き、無意識に眉を寄せる。
「そしたらヒノキ。あの人とヤらなかったでしょ?」
茜との関係を既に知っているという発言には、口を噤むしかなかったが。
僕は曖昧に笑い、そうだな、とその意見に同意した。
「五年も前の事だから言っても今更だし。本人に確かめるかどうかはヒノキの好きにしたら良い」
「……確かめるって言うか。茜に会って、今の関係はやめる」
カイは、へえ、と眉を上げ、「いい心掛けじゃん?」と笑った。
カイは過去の問いに対してサラリと答えた。
盗撮した携帯の持ち主は、今もプロダクションでスタッフとして働く上河 茜だった。
そして、茜だと知っていて黙っていたのはメンバーを思っての事だと答えた。
あの頃、幸子に捨てられるような形で別れた僕は、いつも何かにつけて苛々していた。
あのタイミングで、最早別れの元凶とさえ思える写真の出所が茜だと知れば、僕はきっと彼女を乱暴に責めていただろう。
カイはそれを見抜いて黙っていた。
当時、茜とはプロダクションでいつも顔を合わせていたし、険悪な雰囲気になればカイだけではなく、陸と陽介にも迷惑がかかる、それを理由にだ。
「……けど今となっては、言ってても良かったかなって思うよ」
そう言ってカイは意味深に笑った。
え、と呟き、無意識に眉を寄せる。
「そしたらヒノキ。あの人とヤらなかったでしょ?」
茜との関係を既に知っているという発言には、口を噤むしかなかったが。
僕は曖昧に笑い、そうだな、とその意見に同意した。
「五年も前の事だから言っても今更だし。本人に確かめるかどうかはヒノキの好きにしたら良い」
「……確かめるって言うか。茜に会って、今の関係はやめる」
カイは、へえ、と眉を上げ、「いい心掛けじゃん?」と笑った。



