あの日の事を心から謝罪する彼女に、今更文句を言うつもりも無いので、僕は彼女に一つだけ質問を投げた。
「あの写真は。きみが撮ったの?」
当時ばら撒かれた、幸子と抱き合っていた写真だ。
たまたま偶然、その場に居合わせて撮ったのだと言われればそれまでだが。 桃井さんが‘名誉を挽回する為’に、尾行されて撮られた……とは考え難かった。
僕の質問に対して、彼女は狼狽し、携帯を拾ったのだと答えた。
拾った携帯に、たまたま僕と幸子を隠し撮りした写真が入っていたのだと。
携帯の持ち主について僕は言わずもがな、頭を悩ませた。
わざわざ見知らぬカップルを盗撮する物好きはいないだろう。
写真を撮った人物は、少なくとも僕と幸子に置かれた立場を把握していた。
誰の携帯を拾ったのか、桃井さんに訊ねるものの、やはり五年も前の事なので彼女は困惑し、首を捻っていた。
しかしながら、彼女はアッと何かを思い出しこう言った。
「先輩が停学の時。私、もう1人のカイ先輩には言いました」
「え?」
「檜先輩と同じ事を訊きに来られたんです、それでカイ先輩に」
僕は無意識に眉をひそめた。
「私、確かにあの時は。特徴? みたいな事を言いました。そしたらカイ先輩。誰か知り合いを思い浮かべる様にして、分かった、って。そうひとことだけ言って」
「あの写真は。きみが撮ったの?」
当時ばら撒かれた、幸子と抱き合っていた写真だ。
たまたま偶然、その場に居合わせて撮ったのだと言われればそれまでだが。 桃井さんが‘名誉を挽回する為’に、尾行されて撮られた……とは考え難かった。
僕の質問に対して、彼女は狼狽し、携帯を拾ったのだと答えた。
拾った携帯に、たまたま僕と幸子を隠し撮りした写真が入っていたのだと。
携帯の持ち主について僕は言わずもがな、頭を悩ませた。
わざわざ見知らぬカップルを盗撮する物好きはいないだろう。
写真を撮った人物は、少なくとも僕と幸子に置かれた立場を把握していた。
誰の携帯を拾ったのか、桃井さんに訊ねるものの、やはり五年も前の事なので彼女は困惑し、首を捻っていた。
しかしながら、彼女はアッと何かを思い出しこう言った。
「先輩が停学の時。私、もう1人のカイ先輩には言いました」
「え?」
「檜先輩と同じ事を訊きに来られたんです、それでカイ先輩に」
僕は無意識に眉をひそめた。
「私、確かにあの時は。特徴? みたいな事を言いました。そしたらカイ先輩。誰か知り合いを思い浮かべる様にして、分かった、って。そうひとことだけ言って」



