別に彼女に気が有ってとか、そんな理由からじゃない。当時、下級生だったその子に見覚えが有ったのだ。
「あの時の屋上の子?」
思わず指を指していた。
彼女、桃井さんは心許ない顔で俯き、僕と話すために時間を割いてくれた。
僕と幸子が過去、別れる事になった原因は恐らく色々あるだろうが。
その桃井さんがした事《・》も少なからず影響している。
端的に言うと、桃井さんは僕と幸子の交際を学校中にバラした張本人だ。
隠し撮りした写真付きのビラを紙飛行機にし、屋上から一人で飛ばしていた。
そのビラから交際の事実を晒され、幸子は自らで教師を辞めた。
そして僕の前から姿を消したのだ。
「……あの時。檜先輩には全く関係ないんですけど。私、友達関係がうまくいってなくて。
あの噂を流した事で、嘘吐き呼ばわりされて、ハブられて。その名誉を挽回する為に。本当に馬鹿な事をしました」
とうとうと思いを述べる彼女に、僕はただ口を結んでいた。
桃井さんが口にした“あの噂”というのは、当時、学園祭の後に広まっていた幸子との交際疑惑であり、やはりそれも彼女が、と思うと呆れて物も言えず、嘆息だけが宙に消えた。
「あの時の屋上の子?」
思わず指を指していた。
彼女、桃井さんは心許ない顔で俯き、僕と話すために時間を割いてくれた。
僕と幸子が過去、別れる事になった原因は恐らく色々あるだろうが。
その桃井さんがした事《・》も少なからず影響している。
端的に言うと、桃井さんは僕と幸子の交際を学校中にバラした張本人だ。
隠し撮りした写真付きのビラを紙飛行機にし、屋上から一人で飛ばしていた。
そのビラから交際の事実を晒され、幸子は自らで教師を辞めた。
そして僕の前から姿を消したのだ。
「……あの時。檜先輩には全く関係ないんですけど。私、友達関係がうまくいってなくて。
あの噂を流した事で、嘘吐き呼ばわりされて、ハブられて。その名誉を挽回する為に。本当に馬鹿な事をしました」
とうとうと思いを述べる彼女に、僕はただ口を結んでいた。
桃井さんが口にした“あの噂”というのは、当時、学園祭の後に広まっていた幸子との交際疑惑であり、やはりそれも彼女が、と思うと呆れて物も言えず、嘆息だけが宙に消えた。



