ボーダーライン。Neo【上】

「ごめん、遅くなった」

 鼻先をくっ付けて目を覗き込む。

 幸子の艶めかしい瞳が、遅いよと物語っている。

 背中に滑らかな指が這う。

 彼女からキスを求められた。温かい舌が僕の口から差し入れられるが、されるがままに受け入れた。

 僕は蜜を滴らせた秘部に、猛々(たけだけ)しいものを()てがい上下に擦り付けた。

「檜……っ、お願い。早くいれてっ」

 キスの合間に幸子が哀願し、分かったと返事をする。

 僕としてももう限界だった。

 深い谷底のような割れ目にゆっくり押し込むと、幸子の果実は難なく僕を吸い込んだ。

 生温かい肉壁がギュウギュウ締め付け、思わず吐息をもらす。

 普段から使っていないのだろう。中はまるで処女みたいに狭い。こんなに締められたら呆気なくイッてしまいそうだ。

 幸子は潤んだ瞳をぎゅっと瞑り、必死にしがみついていた。この一体感が何とも言えず、心地いい。

 浅く呼吸を繰り返しながら、ギシギシとベッドを軋ませる。

「ーーん、ハァ……っ、あン……檜っ。も…っと……ッ」

 彼女の善がり顔を見つめ、ゴクリと喉が鳴る。

 背筋がぞくぞくとし、興奮が走り抜ける。

「も…っと、ーーシて……」

 エロさがやばい。可愛すぎてもっと鳴かせてやりたくなる。

 僕は幸子の腰を両手で持ち上げ、更に深く奥へと沈んだ。

 肌と肌がぶつかり合う卑猥な音に重なり、彼女の喘ぎ声が響きわたる。

 甘い声が僕の意識を朦朧とさせた。まるで中毒にでも侵されているみたいだ。

 二度目の絶頂はものの数分で訪れた。

「も……っ、だめ、あた…しっ」

「いいよ」

 イッちゃう、と涙まじりにもらし、彼女は嬌声を上げた。