◇ 日記6

 八つも年下だと思って侮っていた。

 彼の全てが欲しければ年上であるあたしがリードしなければいけない、そう思っていたのに。

 秋月くんの動きには、一切の迷いが無かった。そうする事が当たり前のように、あたしの性感を高め愛情を注いでくれた。

 ベッドの上で何度もキスをし、好きだよと囁いてくれる。

 彼はとても愛情深い人だった。

 クリスマスイブの夜。あたしは大好きな人と恋人同士になった。

 もうこれ以上、自分の気持ちに蓋を出来ない。教師だからという理由で我慢をするのも、もう限界、と彼に想いを伝えた。

 あたしは裸で交わった彼を、きつく強く抱き締めた。

 彼が与える刺激の波に漂い、思った。

 秋月くんに抱かれるのってこんなにも心地いいんだ。ぼうっとした意識で何度も息をつく。

 時折、恥ずかしいほどの嬌声がもれ、あたしは身をよじらせた。

 ーーどこでそんなの、覚えたの?

 あたしより、うんと若いくせに。そう思い秋月くんの経験値を考えてしまう。

 反射的に水城さんの顔が頭に浮かび、いやいやとかぶりを振った。

 ーー本当に、水城さんだけ? もっと他の子とも、経験あるんじゃないの?

 秋月くんが、あたしの反応を見て、指先で唇を撫でた。

「……いま。なに考えてる? 俺だけに、集中して?」

 懇願の瞳に胸がキュンとなる。あたしは口角を上げ、彼の首に腕を回した。

「大丈夫。あなたの事しか、考えてないよ」