「なに~? もしかして、警戒してる? 別にこっち二人だからって何もしないよ? ただクラブに行って、飲むだけ」
ただのナンパじゃない、と思った。
ーーこれ、絶対ヤバいやつだ。逃げなきゃ。
何も言わずに走り出そうとするが。男たちに腕を掴まれた。
「ちょっとちょっと、何で逃げるの~?」
「……や、離してっ」
「アハハ、聞いた? 離して、だって。声、ちょ~可愛い~」
掴まれた腕を離そうとするのに、ビクともしない。男たちはあたしの反応を見て、嫌な笑みを浮かべている。
「いやっ、やめて下さいっ!」
「やめませ~ん。きみが行くって言うなら、離してもいいけどね~?」
こんなのまるで誘拐じゃないか。もっと人通りのある、表通りに出ておけば良かった。
それでも涙目で、必死に抵抗する。
「やだ、離してっ!」
ーー秋月くん、秋月くん、秋月くん……っ!
神様に祈る気持ちで目を瞑った。その時だ。
不意に、ぐいっともう片方の腕を力強く引かれ、男の手が離れた。
「……え? きゃっ?!」
バランスを崩してふらつくが、誰かの腕に支えられた。ふわっと香る柔軟剤の匂いで、それが誰かを理解する。
ただのナンパじゃない、と思った。
ーーこれ、絶対ヤバいやつだ。逃げなきゃ。
何も言わずに走り出そうとするが。男たちに腕を掴まれた。
「ちょっとちょっと、何で逃げるの~?」
「……や、離してっ」
「アハハ、聞いた? 離して、だって。声、ちょ~可愛い~」
掴まれた腕を離そうとするのに、ビクともしない。男たちはあたしの反応を見て、嫌な笑みを浮かべている。
「いやっ、やめて下さいっ!」
「やめませ~ん。きみが行くって言うなら、離してもいいけどね~?」
こんなのまるで誘拐じゃないか。もっと人通りのある、表通りに出ておけば良かった。
それでも涙目で、必死に抵抗する。
「やだ、離してっ!」
ーー秋月くん、秋月くん、秋月くん……っ!
神様に祈る気持ちで目を瞑った。その時だ。
不意に、ぐいっともう片方の腕を力強く引かれ、男の手が離れた。
「……え? きゃっ?!」
バランスを崩してふらつくが、誰かの腕に支えられた。ふわっと香る柔軟剤の匂いで、それが誰かを理解する。



