あたしは手にした財布を再び鞄に入れ、ありがとう、と呟いた。
「じゃあ。職員室、戻るから」
そう言ってくるりと背を向けた。
「あ、先生」
不意に呼び止められて、振り返る。
「早退とか出来るんならさ。あんま無理しないで帰った方がいいよ?」
好きな人に心配されているのが嬉しくて、あたしは顔をほころばせた。
「そうだね。ありがとう」
秋月くんの姿をジッと見つめ、あたしは踵を返した。
ーー今、気持ちを伝えたら。あたしはどうなるだろう。
ぼんやりした思考で、今後の行く末を考えた。
ーーううん、あたしだけじゃない。秋月くんは。どうなるんだろう? 生徒でありながら、教師のあたしと付き合うなんて、マイナスになるに決まってる。
肩から下げた鞄を握りしめたまま、足を止めた。
ーーそうだ。今、秋月くんと付き合う事になって、それが学校にバレたら。彼にも何らかの処罰が課せられるかもしれない。
犯罪に足を踏み入れる一歩手前の状態。あたしは今そこに立っている。
未成年の彼に手を出したら、あたしは法律上、立派な犯罪者だ。
こんなにも彼を好きな状態で、果たしてあたしは、あと一年も気持ちを押し殺して平然と振る舞えるだろうか。
あたしは目を伏せ、自嘲気味に笑った。
「じゃあ。職員室、戻るから」
そう言ってくるりと背を向けた。
「あ、先生」
不意に呼び止められて、振り返る。
「早退とか出来るんならさ。あんま無理しないで帰った方がいいよ?」
好きな人に心配されているのが嬉しくて、あたしは顔をほころばせた。
「そうだね。ありがとう」
秋月くんの姿をジッと見つめ、あたしは踵を返した。
ーー今、気持ちを伝えたら。あたしはどうなるだろう。
ぼんやりした思考で、今後の行く末を考えた。
ーーううん、あたしだけじゃない。秋月くんは。どうなるんだろう? 生徒でありながら、教師のあたしと付き合うなんて、マイナスになるに決まってる。
肩から下げた鞄を握りしめたまま、足を止めた。
ーーそうだ。今、秋月くんと付き合う事になって、それが学校にバレたら。彼にも何らかの処罰が課せられるかもしれない。
犯罪に足を踏み入れる一歩手前の状態。あたしは今そこに立っている。
未成年の彼に手を出したら、あたしは法律上、立派な犯罪者だ。
こんなにも彼を好きな状態で、果たしてあたしは、あと一年も気持ちを押し殺して平然と振る舞えるだろうか。
あたしは目を伏せ、自嘲気味に笑った。



