「お前、ガキの時から面食いだったもんな」
「えー?」
ゆめこはそうだっけと、とぼけながら首を傾げていた。
たしかゆめこの初恋は幼稚園のパンダ組で一緒だった中野くん。
次は小学四年生の時に塾が同じだった上田くん。
その次は中学の時に臨時として来ていた知的でメガネの数学の先生。
ゆめこの好きなタイプは、いわゆるモテる人だ。
背が高くて、優しくて、人気があるという三拍子揃った人。だから現在の彼氏であるんで、長崎先輩はまさにゆめこにとって理想的な相手というわけだ。
「屋上って風が気持ちいいよね」
そよぐ髪の毛を右耳にかけている仕草を、俺は横目で見つめる。
夏休みが終わって、二学期。ゆめこははビックリするほど綺麗になった。
ゆめこはどちらかといえば落ち着きがないほうで、アニメの萌えキャラかよってぐらい昔の髪型はツインテールだった。でも、先輩と出逢ってゆめこはばっさりと髪の毛を切った。
華奢な肩幅がよく分かるぐらいのミディアムボブ。
Yシャツの襟元から見える鎖骨がこんなに女性らしいことを初めて知った。



