「私ね、蓮翔と離れてからもずっと蓮翔が好きだった。だからこのまま蓮翔だけを愛していこうって決めてたの……」

恥ずかしいけど、自分の気持ちを蓮翔に伝えた。蓮翔の顔を見ることができなくて下を向いた。

「俺と会えるかわからなかったのに?」

「うん。会えなくても蓮翔のことを考えれば、笑っていられたし、仕事も楽しかった。ただ、恋愛は苦手で、どうしていいかわからないし、ほんと困っちゃうよね。ははっ.......あっ、えっ?」

急に抱きしめられて、頭はパニックだ。

「……バカかっ」

耳元でボソッと言われた。

ちょっとくすぐったくて、耳にかかる蓮翔の吐息が私の体をゾクッとさせた。

こんなことが初めてな私は、どうしたらいいのかわからない。でも蓮翔から離れたくなくて、抱きしめ返した。

「可愛すぎなんだけどっ」

蓮翔に見つめられて目が逸らせなくなってしまった。

「私の彼氏になってくれる?」

「それ、俺のセリフだから」

そのまま蓮翔にキスされてしまいそうなくらい近くになった。

「ちょっと待ったーっ」

私は蓮翔の唇を手で押した。

「なんだよ。お前ムードぶち壊しっ」

蓮翔は、怒ってソファーにドカッと座った。

「だって聞いてないもん」

「何を?」

「その……」

「何だよっ」

急に不安になった。
でも聞かないと気になってしょうがないから、勇気を出した。

「……かりんさんのこと、好きじゃないの?」

「あぁ、かりんさんは仕事上の付き合いだけだよ。食事行ったりすることはあるけど、それだけだよ」

「そう……なんだ」

なんか納得いかないような……

「お前、ヤキモチ妬いてるのか?」

蓮翔が嬉しそうに私の顔を見つめる。

「もう、知らない」

私は顔を背けた。
だって、不安なのだ。
そうじゃなくても蓮翔は、女性にモテるし。

「俺はずっとお前しか見てねぇから、心配するなっ。わかったか?」

「なっ、何様のつもりなの?」

私は照れてるのを隠すように言った。

「ははっ。俺様だろ」

優しく笑う蓮翔があまりにもカッコよくて、誰にも渡したくないと思った。

私は背伸びをして蓮翔にキスをした。

「愛してる」

「俺も愛してるよ」

もうこの手を離さないと思った。