「ん?」
ビリビリになったラッピング用紙を捨てようとしたら、ラッピング用紙にDVDケースがくっついていたことに気づいた。箱の後ろ側を包んでいた場所にあったから、さっきは壊さずに済んだのか。
それにしてもどうしてこんなものが?
テーブルの前に置かれていたテレビとプレイヤーの電源をつけてから、俺はケースを開けた。DVDをプレイヤーの中に入れると、すぐに再生ボタンを押した。
キッチンで、百センチメートルくらいの子供がガスコンロの火をつけたり消したりしている映像が映し出された。
手元にあったクッキーが砕けた。
間違いない。これは、夏菜が死んだ時の映像だ。
★★
火がついたままになっているのなんて気にもしないで、颯はキッチンの隣にあったクローゼットを開けた。クローゼットの中には底が毛布で覆われたダンボールがあって、その中に二匹の大きな猫がいた。
頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受ける。
家事をする傍らで、ご飯を上げたりお風呂に入れたりして夏菜が熱心に世話をしていた猫にそっくりだ。いや、同じなのか?
「あ……」
白猫の胸のあたりに、四匹の子猫がいた。身長たぶんみんな十センチメートルもない。相当お腹がすいているのか、その子達は一生懸命に母乳を吸っていた。
「シャー!!」
白猫が突然叫んだ。
一体何があるのかと思った様子で、颯が後ろを見る。
ガスコンロの火が燃え広がって、木製の家具やベランダのそばにある植物など、部屋のあらゆるものに火がついていた。灰色の煙が天井に渦巻いて、ガスと真っ赤な炎が瞬く間に広がっていく。
颯は慌てて、ダンボールを抱えた。
ここから先は見なくても何があったか推測できた。
きっと颯がダンボールを抱えて走ることが出来なかったから、夏菜は先に颯を外に出させて、自分はダンボールを抱えながら玄関まで走ろうとしたんだ。けれど玄関まで行く前に炎が燃え広がってしまって、夏菜は帰らぬ人となった。
夏菜が燃える瞬間を見たくなくて早送りしたら、推測通りの映像が流れた。



