北桜学園の身の上話ばかりで、頭から少し離れていたが。 えぇい。当初の目的を忘れるな。 俺は、こいつの役に立つ。 少しでもいい。なずなのために、何か出来ることを。 傍にいれば、強くなれる気がしてるんだ。 「な、なんでもない」 「じゃあ、早く乗れ。…行こう」 だから、怯んでいる場合じゃない。 一緒に行くんだ。 「…わかった!」 差し伸べられた手を取り、それを引っ張っていくつもりで、進め。