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何だ何だ何だ。



黒い翼の彼によって、急に囚われの身になったと思ったら。

急に黒い翼の彼の背後からなずなが現れ、その首を取り裸絞の体勢を取り…ある意味彼を捕らえてしまった。

捕らえたり、囚われたり。

いったい、どういう状況でしょうか。





「…伶士から手を離せぇぇっ!……降臨諸神、諸神人、縛鬼伏邪、百鬼消除…急急如律令!『縛破』!」



なずなが口早で半ば怒鳴り気味にそう唱えると、俺を捕らえていた黒い羽根の帯が白く光を放ち出す。

細く射す光を発し出したと思ったら、ボン!と弾けた。

(わ、わわっ…)

その爆風で、体が彼の手から離れて、向こうの方に少し吹っ飛んでしまう。

グラグラと足元がおぼつかないまま、ゴロッと地に転がってしまった。

い、痛い。

そこへ、凌憲が駆け付けて俺のもとにやってくる。

「伶士、大丈夫?!」

「あ、うん…」



そんな俺の身より。

目の前では、緊迫のドンパチが再開だ。



「ふーん…どんな時も主の身を最優先。さすが隠密・音宮一族」

「…余計なお喋りしてる暇なんてないぞ!…リグ・ヴェーダ!」