なずなの目がどんどん丸くなっていく…。

一般人には理解しがたい発想だよな?

つくづく、自分がどれだけ一般常識からかけ離れたところにいたかわかる…。



「逆に学園側は寄付金たんまり貰ってるから、無断で地下工事されようが何も文句は言えないんだよ。文句を言ったもんなら、その親が出てくるからな」

「は…じゃあ、やりたい放題じゃん」



そう。はっきり言って、あの学園はVIPのやりたい放題だ。

表から見るような、格式高い場所ではない。決して。



「なるほど。自腹で地下工事をしたから、学園側の設計図には記載されていなかったのか。うーん…そこって広いの?どんぐらいの大きさ?」

「部屋もいくつかある。…なずな、何か紙持ってる?」

「…あ、うん。これ」



そう言ってなずながおもむろにポケットから取り出したのは、四つ折りにしたプリントだ。

受け取って中を開いてみると…英語の小テストの答案なんだけど。

「おまえ…こんなもんポケットに入れとくな」

「…やかましい!」