#そこには確かに愛がある

警察の人間という在義父さんの仕事柄、ご飯を一緒に食べたことは少ない。
いつも多めに作り置いて、冷蔵庫の中。
私が学校から帰るとなくなっていることが多い。食器は棚にしまわれている。
そして…
『美味しかったよ。風邪、ひかないように。今度休みは夜々ちゃんも一緒に出かけようか』
いつも、置き手紙がある。
血の繋がらない私を男手ひとつで育ててくれた父さん。…私は幸せ者だ。
けど。
ごめん、今度のお休みは、流夜くんと約束がある…。
なんてことを知られたら、流夜くんがまた嫌がらせを受けてしまう。
でも、私が流夜くんと知り合う前から信頼関係のある在義父さんと流夜くん。
在義父さんなりの『嫌がらせ』ができる二人の関係の中にだって、そこには確かに愛があるのだろう。

『朧咲夜』より

※魔法のiらんどさんのツイート企画のものです。