【web版】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(コミカライズ:男装令嬢が性別を隠して士官学校に入学したら、王子様と騎士様が執着してきます)


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 チョコレートの包みを畳み、僕は小さく微笑んだ。

「あれは、僕にとって大冒険だったな」

「私だってそうだよ」

「俺だって」

 ベルンとフェルゼンも同意する。

「でも、みんな一緒に見たかったから」

 ベルンが言えば、フェルゼンが苦笑いをする。

「今思えばわかるよな。あれは、大人たちに見逃されてたって」

「うん。見ないふりしてくれてたんだろうね」

 僕も思う。夜の王宮から王族があんなに簡単に抜け出せるはずはない。きっと、僕らの思い出を大人たちが見守ってくれていたのだ。

「そんな大人になれたらいいね」

 ベルンはそう呟きながら、二つ目のチョコレートに手を伸ばした。

「うん」

 唇から薫るのは、ほろ苦いコーヒーヌガー。

 でも、今ならわかるのだ。あの夜の切なさの理由が。

了