ふいに、室内楽の音が大きくなり、王城に振り返る。 「そろそろか」 フェルゼンが呟いて、ベルンがワクワクした様子で頷いた。 「なにが?」 僕が問うと、フェルゼンは黙って空を指さした。 見上げる月夜。 広がる星空。 そこを裂いていく光の筋。 そして花開く大輪の光。 ドン、と音が遅れて届く。 「花火だ……!」 思わず呟くと、フェルゼンがドヤ顔で頷いた。