【短編】ベイビー・ホワイト




「──お前が好きだっつってんの」




ぐい、と細い腕を引いて顔を近づけたら、じわじわと赤くなっていく彼女の頬。


「え、え!?」

「気付かなかったの?バカじゃねえの」

「だ、だってりっちゃんは弟みたいなもので…」

「……一生かかっても、「俺が欲しい」って泣かせてやるからな」

「っ…」





白いワンピースが、夏の風になびく。さらさらや黒い髪が揺れて、俺の頬に触れる。真っ赤になった彼女の耳を見て、やっと始まった気がした。



「りっちゃん、男の子みたい…」

「ずっと紗奈が欲しかったからね」

「っ!?」



はやく、白いワンピース着て俺に会いに来てよ。