会議は次々に話が進められていく。
杏奈も先代の社長と共にこの年度初めの会議に何度も参加してきたがこんなにも重々しい空気なのは初めてだ。

例年はもっと和やかな場面があったり、各部門の活動報告や活動計画に活発に意見が出される。

でも今年の会議では何も意見がないまま進められていた。

何かがおかしい。

杏奈は何かを察して資料をもう一度読み返した。

手元に事前に用意された資料。
その資料と会議室のスクリーンに映し出される資料を見比べる。

・・・っ!?

杏奈はその違和感に気づき、慌てて瑠衣にサインを送ろうとした。