「もう一つ、実はあるんだ。」
涙でぐしゃぐしゃな顔で杏奈が瑠衣を見ると、瑠衣は立ち上がり寝室から何やら箱を持ってきた。
小包ほどのサイズの箱を杏奈の隣に再び座り開ける瑠衣。

その箱の中にはたくさんの数の通帳が入っていた。
表紙にはどれにも『西宮杏奈』と書かれている。

「これはお義父さんからなんだ」
「え?」
「杏奈が生まれたその年のその月からの通帳。」
「・・・」
「毎月2万円ずつ。かならず杏奈の誕生日と同じ日付で、毎月毎月預金されてる。」
杏奈はその中の一冊を手にした。

瑠衣が言ったように、毎月同じ日に預金されている。

「両親の杏奈への愛が現れてるよな」
「・・・」
この通帳の存在を杏奈は知らなかった。