「無茶言わないでよ雄大！」


アユカの声に心臓が止まるかと思った。


やっぱり、声の正体は雄大のようだ。


あたしは悲鳴を上げそうになるのをどうにか押し殺して、２人の様子を見守った。


「俺にはどうしても金が必要なんだよ！　アユカだって、写真をバラまかれたくないだろ！？」


雄大の声はアユカを脅しながらも必死になっている。


本気でお金が必要みたいだ。


でも、どこかがおかしかった。


どうして雄大にお金が必要なのかもわからなかったし、なにより雄大の魂は汚れていないのだ。


毎日のようにあたしの家にきて勝手におやつやご飯を食べているのだから、間違いない。


これほどの悪事を働いていれば、グレーになっていてもおかしくないのに……。