足音を立てないよう移動し、校舎の陰に隠れて顔だけを覗かせてみると、そこにいたのはアユカと男子生徒だった。


あれがアユカを盗撮して脅した犯人だろうか?


顔を確認したかったけれど、アユカに隠れて見えない。


「持ってきたよ」


アユカがとても小さな声で言い、財布から一万円札を数枚取り出した。


男子生徒はそれを奪い取るようにして握り締める。


「今日はもう一回行って来い。相手には連絡してあるから」


その声にあたしは聞き耳を立てた。


「何言ってるの? そんなことできない!」


「たったこれだけの金じゃ足りねぇんだよ!」


その怒鳴り声には聞き覚えがあり、あたしはハッと息を飲んだ。


嘘でしょ今の声。


自分の心臓がドクドクと早鐘を打ち始めるのがわかる。


あたしがあいつの声を聞き間違えるはずがない。


だって幼馴染なんだから……!