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「陽菜。ナオヤに話を聞いてみない?」


休憩時間中、アユカがそう声をかけてきた。


「話って、ユマちゃんのこと?」


「もちろん。それしかないじゃん」


「でも、そんなこと聞いてもいいのかな」


当人にとってはとてもデリケートな話だ。


あたしたちが踏み込んでしまっていいのかどうか、迷ってしまう。


「聞かないと雄大へのイジメはなくならないよ?」


そう言われて雄大の席へと視線を向ける。


相変わらず複数人の男子たちが雄大を取り囲んでからかい、時折大きな笑い声を上げている。


その真ん中で雄大は何も言わず、ただ一点を見つめているだけだ。


これだけ無力な人間を相手にしてもイジメをやめようとしない連中に吐き気がこみ上げてくる。


「話を聞きに行こう」


あたしはそう言い、立ちあがったのだった。