甘やかすのはキミ限定。

力になれるように、一生懸命働かなきゃ……!!


これ以上、迷惑をかけたくはないっ……。


体育館倉庫からボールカゴをとってきて、マネージャーさんのところへ持っていく。


う……これ、重たいっ……。

カゴ自体が古いからか、押しても思った方向に進んでくれない。

早くしなきゃっ……!


そう思って、めいいっぱい押した時だった。



あっ……!

——バタンッ!!



辺りに大きな音が響いて、カゴに入っていたボールたちがコートの方に転がっていった。

練習中だった部員さんたちが、何事かとこっちを見ている。



「す、すみません……!」



また、やってしまった……。


謝りながら、急いでボールを拾う。

周りにいた部員さんたちも。笑いながら手伝ってくれた。