甘やかすのはキミ限定。

しおちゃんに手を引かれて、立たされた。

そのまま、すぐ下の階にある保健室へ連れていかれる。


保健室には誰もいなくて、しおちゃんは俺を椅子に座らせて救急箱を取ってきてくれた。



「ごめんなさい……」



謝りながら、傷の手当てをしてくれるしおちゃん。



「ほんとにどこも怪我してないから。しおちゃんに怪我がなくてよかった」



そんな顔しなくても、なんともないのに。

俺はそう思っていたけど、しおちゃんの表情はどんどん暗くなっていくばかり。



「手当てしてくれてありがとう。しおちゃん、手当て上手だよね」

「……」

「しおちゃん?」

「……ごめん、なさいっ……」

「……え?」



待って……

……泣いて、る?