しおちゃんは、俺に気づいて大きな目を見開かせた。
「きゃ、キャプテンっ……!」
すぐに駆け寄って、しおちゃんに詰め寄る。
「ちょっと話したいことがあるんだけど、来てくれない?」
このまま今までありがとうなんて言ってあげられるほど……俺は、物分かりのいい男じゃないから。
しおちゃんがいなくなるなんて、絶対無理。
ただでさえ危なっかしいし、いつ誰にとられるかもわからないくらい可愛いのに……目の届かない場所になんていかないで。
「い、嫌ですっ……!」
「え?」
しおちゃんが、はっきりと拒否をして立ち上がった。
そのまま、俺から逃げるように走り出したしおちゃん。
「わ、私は話したくありません……!」
「し、しおちゃん……!」

