甘やかすのはキミ限定。

朝と放課後することをまとめたものや、道具の位置。担当の先生や過去のバスケ部の記録まで、白紙が見当たらないほど書き綴られている。


……っ。


そうだ、しおちゃんはこういう子。

バスケ部を嫌いになったとか、そんな理由ではないことはわかる。

だったら、俺は……。



「俺、説得してきます」

「え?」



きょとんとしている先生や部員たちを置いて、体育館を後にした。

今日の朝言ってきたってことは、教室にいるはずだ……。


まっすぐ、しおちゃんのクラスへと走る。



……あった。


人目も気にせず、教室の中に入った。


すぐに見つけた、ひとり席に座っていたしおちゃんの姿。



「しおちゃん!」



他の生徒たちの視線も気にならないくらい、しおちゃんしか見えていなかった。