甘やかすのはキミ限定。

「って、それどころじゃないって!先生なんとか引き止めてよ!!」

「俺もそうしたかったんだが……無理強いはできないからなぁ……」



……おかしい。



「突然やめるとか、そんなことしない子なはずです……」



挨拶もなしにいなくなるなんて……しおちゃんらしくない。

何か、絶対に理由があるはずだ。


俺の言葉に、先生も複雑な表情をしている。



「うーん……確かにそうなんだよなぁ……それに、暗い顔してたし……あっ、そういえばこれ」



……これ?

先生が、俺にノートを渡してきた。



「引き継ぎノートだと」



引き継ぎノートって……しおちゃんから?

俺は中を確認しようと、ノートを開く。


そこには、綺麗な字でびっしりとマネージャーの仕事が書かれていた。