涙が溢れ、慌てて下を向く。
その日は一日中、涙を堪えるのに必死だった。
* * *
翌朝。
私は誰よりも早く、部室に向かった。
自分の荷物を取って、すぐにその場所から出る。
真っ直ぐに、職員室に向かった。
「あっ……せ、先生!」
「おお生田!こんな早くからどうした?まだ部活始まるまで時間あるぞ」
「あ、あの、お話があって……」
顧問の先生が、不思議そうに「ん?」と唸った。
すぅっと息を吸って、言葉を吐き出した。
「わ、私……マネージャー、やめさせてください」
「……え?」
……これで、いいんだ。
これ以上……キャプテンやバスケ部のみんなの、足枷になりたくないからっ……。

