甘やかすのはキミ限定。

「さっきすごい音聞こえたけど、平気?」



一番離れたコートで練習していたはずなのに、わざわざ来させてしまった……。



「すみません、ボールカゴを転かしてしまって……」

「しおちゃんに怪我がないならよかった……きつい仕事なら他の子に任せていいからね」



キャプテンは少しも怒らず、呆れた様子ひとつ見せない。

優しいから……気を使わせてしまってるんだ、きっと。



「キャプテーン!練習試合の途中っすよ!!」

「ごめん!すぐ戻る!……じゃあね、しおちゃん」



手を振って、コートに戻っていったキャプテン。

練習試合中だったなんて、ますます罪悪感にかられた。



やっぱり……私、邪魔だ……っ。


ここに、いちゃいけないっ……。