甘やかすのはキミ限定。




「ははっ、生田ちゃんドジだな~」

「大丈夫ー?」

「盛大に転けたな~」



みんな笑ってくれてるけど……私は、歪な笑顔しか返せない。



「ほ、ほんとにすみませんっ……」



私……何やってるんだろう……。



「こかしたくらいで謝らなくていいって~」

「そうそう、生田ちゃんがドジっ子なことくらいみんなわかってるから」

「生田ちゃんはこうでなくっちゃね」



部員さんたちの優しさが、今は苦しかった。

自分自身が情けなくて、涙を堪えるのに必死だった。



ボールを全部カゴに直して、もう一度部員さんたちに謝る。



「しおちゃん!」



え……?

キャプテンの声がして視線を向けると、走ってきてくれたのか、息を乱した姿が。