継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「よかった……」
「はい! 私はちょっと出ておくので、ジーク様が声をかけてあげてください」

 「なぜだ?」という顔をするジークに、エイミはもうと頬をふくらませる。

「アンジェラはジーク様に抱きしめて欲しいんですよ! それが女心ってやつです」

 エイミはジークを残して、そっと厩舎を出た。アルやリーズ達にもアンジェラの無事を伝えなければ。
 目を覚ましたらしいアンジェラの、安堵の泣き声を背中に聞きつつ、エイミは足を速めた。

 アンジェラのジークを見つめる瞳。あれは自分と同じだと、エイミは薄々気がついていた。アンジェラの寂しさは、父親をとられたせいではないだろう。

(アンジェラってものすごく可愛い顔してるのよね……) 

 手強すぎるライバルの出現に、エイミはがくりと肩を落した。