ジークはそのたくましい外見に似合わず、酒に弱い。そのため滅多に飲むことはないのだが……エイミを送り出した後、珍しくひとりで酒をあおった。

はぁ、と大きなため息も出る。

 ひとりで飲んでいても、鬱々とするばかりだ。アルでも誘おうかと思いついたところに、ちょうどよく扉の向こうからアルが声をかけてきた。

「ジーク様。入ってもいいですかね?」

 ジークは扉を開けて、アルをまねきいれた。

「あぁ、ちょうどお前を呼ぼうかと思っていたところだ」

 アルはテーブルの上の酒瓶とジークを見比べだ。大した量は飲んでいないようだが、結構酔いが回っているみたいだ。

「弱いんだから、無理しないでくださいね」
「お前は強いんだから、付き合え」