継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「そ、そうか」
「はい、そうなのです」
「で、では、近いうちに一緒に行こう」
「はい!」

 エイミは嬉しくてたまらなかった。
 ジークと一緒に、賑やかな街を歩いているところを想像してみる。

(わ~。そんなの、絶対に楽しいに決まってるわ)

 勝手に頬が緩んでにやけてしまうのを、どうしても止められない。

  ジークもジークで、そんなエイミの様子を幸せそうに眺めていた。

「あっ」

 エイミが、はたと声をあげる。

「どうした?」

 エイミは自身の指にはめられた指輪を慎重な手つきで外すと、ジークに差し出した。

「これ、ありがとうございました! 私、指輪の交換なんて考えてもいなかったです。ジーク様に助け舟を出してもらえなかったら、どうなっていたか」

 ジークはぽかんと口を開けたまま、エイミを見返した。
 そして、ようやく理解した。彼女は指輪を返却しようとしているのだ。