継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「疲れただろう?」

  ジークはソファに腰かけるエイミに温かいお茶を手渡し、自分も隣に腰をおろした。

「いいえ。楽しかったです。トマスさんの用意してくれた食事も素晴らしかったですし、ヒースさんのお話もとっても楽しくて」

  招待客をまじえての宴はとても賑やかで、楽しいものだった。

 特に、王都に屋敷を構えているというヒースの話は田舎育ちのエイミには興味深かった。

「王都に興味があるなら、今度俺が行くときに一緒に行ってみるか?」
「え? いいのですか?」

 ジークがなんの気なしに言った言葉に、エイミはぱっと顔を輝かせた。

 エイミは『ジークと一緒に』という言葉が嬉しかっただけなのだが……ジークはなにやら勘違いをしたようだ。

 申し訳なさそうに、しょんぼりと言った。

「そうだよな……こんな辺鄙な城に籠もりきりじゃ退屈だよな。俺はそういうところに気が効かなくて、すまん」
「いいえ、全然! ちっとも退屈なんかじゃありません。私はこの城での生活がとても楽しくて、幸せいっぱいです!」

 力いっぱいのエイミの反論に、ジークは少し驚きつつも嬉しそうに笑った。

「そ、そうか。ならよかった」

 エイミは恥じらいながらも、勇気を出して口を開いた。

「いまのはですね……その……王都に行くことじゃなくて、ジーク様が一緒にと誘ってくれたことが……それが嬉しかったのです」

 エイミの赤面が伝染したかのように、ジークも頬を赤くした。