継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

  結婚式の前に、ジークがエイミに招待客を紹介してくれた。ノービルドのお役人や隣地の領主などだ。
 エイミの黒髪に誰もが驚いていたが、ジークに気を遣ってか言葉にはしなかった。

  最後に、ジークが紹介してくれたのはいかにも都会的で洗練された青年だった。

「古い友人のヒースだ」

 ジークが友人という言葉を使ったのは、彼にだけだ。

「は、はじめまして。エイミと申します」

 ヒースはエイミの全身を遠慮なくジロジロと眺めると、にんまりと笑った。

「なるほどね~。うんうん、初々しくてかわいい花嫁じゃん。よろしくね、エイミちゃん」

 ジークとは大違いの軽さに、エイミはちょっと面食らった。

「よ、よろしくお願いします」

「むっ。このドレスは、七番街でいま一番人気のオフィーリアのデザインだね。流行最先端の都会的なドレスなんだが、君が着るとずいぶんと牧歌的な雰囲気になるなぁ」
「は、はぁ……」

 エイミはなにがなんだかわからず、曖昧に相槌をうった。