継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「エイミ、準備はいいか?」

 トントンと扉をノックする音から少し遅れて、ジークの声が届いた。

「完璧ですよ」

 ゾフィー婆やが答える。

「では、参ろうか」

 扉が開いて、ジークが姿を見せた。 

 一体いつの間に用意したのだろうか。花婿の正装に身を包んだジークは、初めて見る凛々しさだった。

 ジークもエイミの花嫁姿を見て、目を細めた。

「よく似合うぞ、エイミ」
「ジーク様もとっても素敵です」

 ふたりは互いを、うっとりと見つめた。

「はいはい、そういうのは夜、好きなだけ、やってください。とりあえず、皆様お待ちですから急いでくださいよ」

いつも以上に見目麗しいアルが、ふたりの間に割って入る。