継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

(ジーク様は熱でもあるんだろうか。頭がどうかしてしまったとしか思えないわ……)

 エイミがなにも答えられないでいるのを、ジークは拒絶と受け取ったようだ。大きく肩を落として、しゅんとしてしまった。

「……やはり、こんな怖い顔の男とでは嫌か? アルのように美しい顔ならなぁ」
「いえ! そういうことでは!」

 エイミはあわてて、ジークの勘違いを訂正する。

「たしかにアルは物語の王子様みたいに格好いいですけど、ジーク様にはジーク様の魅力があります! ふさふさの銀髪も鋭い瞳も、ワイルドで素敵です!背も高くて、強そうですし」
「……それは女には嫌われるポイントでは?」
「他の人は知りませんけど、私は好きです! 大好きです!」

 エイミは大声で宣言すると、はぁはぁと肩で息をした。

「では、どこがダメだ? お前の希望に沿えるよう、できる限り改善するから言ってくれ」

 ジークは真剣な目でエイミを見つめた。彼の本気が伝わってくる。

(えぇ~本気で言ってるの!?)