継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

 エイミは気持ち良さそうに眠る三つ子達を眺めながら、目を細めた。ジークも三つ子達を見つめている。

「この子達は生まれてすぐに親を亡くしてる。役人が保護したときには、もうダメだろうという話だったんだが……」
「よかったですねぇ。きっと強い星の元に生まれてきたんですね」

 赤子というのはつくづく不思議なものだ、とエイミは思う。
 ものすごく弱々しく見えるし、実際にひとりではなにもできない。にもかかわらず、時々こちらが驚くような生命力の強さを見せるときがある。

「将来、なにか立派なことを成し遂げるのかもしれないですね!」

 エイミの言葉に、ジークも強く頷いた。

「あぁ、きっとそうなる」
「三つ子達はゾフィーさんがお世話してたんですよね? きっと心配しているでしょうね」
「そうだ。ゾフィーと彼女の孫娘が乳母代わりに手伝いに来てくれてな。三つ子はゾフィーに懐いてたから、ゾフィー自身も離れるのを嫌がったんだが……三つ子は俺に任せて養生しろと無理やり郷里に帰した。けど……やっぱり、俺ではダメだな」

 ジークは狼のたてがみのような銀髪をグシャグシャとかきまぜた。
 どう見ても、子育てに不慣れな公爵自らが三つ子と寝食を共にしているのにはそういう事情があったらしい。ジークはゾフィーのことも三つ子のことも、とても大切にしているのだ。