エイミはすぐにシェリンを抱き上げた。

「抱いて寝かしつけるのはダメなのではなかったか?」

 ジークの言葉に、エイミは苦笑する。

「ダメじゃないですよ。一番よく寝てくれる方法です。けど、一番失敗もしやすいです」
「では、どうするんだ? 一晩中抱いておくわけにもいかないだろう」
「寝ついたらお布団に置くというのを、成功するまで繰り返します。いつかは成功しますから。まぁ、成功するときには日がのぼってるようなこともありますが」
「……修行のようだな」
「はい! 忍耐あるのみですよ」

 結局、三回目のチャレンジでようやくシェリンは眠りについた。
 ジークはぐったりした様子で、呟いた。

「……忍耐だな」
「このくらいなら上出来です。三つ子ちゃん、いい子ですよ」