「母親の言ってたこと間違いではないんです! ふたりとも美人だし素直ないい子だし、私なんかよりいい奥さんになることは保証します」
「……そうだな。ふたりともエイミによく似た美人だった。いい子なのも、エイミが世話をしてきたからだろう」
「えぇ!? ちっとも似てない……」

 ジークはエイミの肩を抱き寄せて、耳元でささやいた。

「でも、俺にとってはエイミが一番美人で世界一の奥さんだ。あの村の者達には本当に感謝してもしきれない。城に来てくれたのが、他の誰でもなくエイミでよかった」
「ジーク様……」

 ふたりを包む空気が、とろりと甘く変容していく。
 エイミはじっとジークを見つめた。そして、勇気を出して言ってみた。

「せっかくふたりきりなので……」
「うん?」
「て、手を繋いでもいいですか?」

 昨夜は家族も一緒だったから、いつもみたくくっついて眠ることができなかった。たった一晩のことだが、エイミは少し寂しかったのだ。

(本当は……手を繋ぐだけじゃなくて、もっとジーク様に触りたい。でも、そんなこと言ったらひかれちゃうかなぁ~)