継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

「大きさはともかく、派手さは王宮なみかも知れんな」

 ジークは顎を撫でながら、少し呆れたようにつぶやいた。

「失礼な! 王宮なんかより僕の城のほうがよっぽどセンスがいい! さぁ、入って入って。僕のセンスの良さをたっぷりと堪能してくれよ」 

「なんだか目がチカチカしますね、ジーク様」
「うむ。下を向いても、床にまでよくわからん絵が描かれてるからな」

 ヒースの城は、装飾過多だった。花・絵画・レースのカーテン・柄物の絨毯、そんなものが洪水のようにあふれていて……目に優しくない。

 色彩に乏しいジークの城に慣れたふたりには、なおのことだった。

「ほら。ここがふたりのために用意したゲストルームさ。楽しい時間を過ごしておくれ」

 通された部屋がこれまたすごい。すべての調度品がピンクで統一されているのだ。ピンクのソファにピンクのベッドカバー、ピンクの絨毯。室内用のガウンもピンク色だ。

「ピンクは愛を深める色だからね。どうぞ、ごゆっくり。楽しい夜を!」

 ヒースは歌うように言って、部屋を出ていってしまった。