継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

 その眼光の鋭さにゾーイは思わず縮み上がった。

「こんな不安定なロープにエイミを任せるな。なにかあったらどうするんだ!」
  
 真っ先にエイミの身を案じるところは実にジークらしい。が、次に続く台詞はエイミにとってはショックとしか言いようがなかった。

「エイミを連れていくなら、こんな危険なマネをせず堂々と城門を通っていけ。馬も防寒着も必要なものは全て用意してやるから」

 エイミはジークの言葉に頭が真っ白になった。

(連れていく? ゾーイが私を? ジーク様……止めてくれないの?)

 疑問符ばかりが頭に浮かぶ。

「いいのか?」
「エイミがそれを望むなら……」

 エイミを無視して、ゾーイとジークはふたりで話を進めている。

「そっか。あんた、見かけによらずいい奴なんだな」
 
 ゾーイはへらへらと笑っている。ジークは少し傷ついたような寂しげな微笑を浮かべていた。

(なに、勝手なこと言ってへらへら笑ってるわけ? で、ジーク様もなに悲しそうな顔してるのよ。泣きたいのはこっちの方なんですけど!)

 エイミの中でなにかがプツンと弾けた。キレたというやつだろう。諦めてばかりの彼女の人生で、初めての出来事だったかも知れない。