継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です

 大男の筋骨隆々たる身体を前にして、ゾーイは思わず自身のひょろひょろと生白い腕を背中に隠した。

(お、男の価値は腕力じゃないぜ!)

 財力も地位も身分も、足元にも及ばぬことには気がついていない。

「ジーク様。笑顔、笑顔」

 むっつりと黙りこくったまま領民達を睨みつけているジークに、アルが小声で囁いた。

 ジークははっとしたように頷き、ゆっくりと口角を上げた。人見知りな彼なりの精一杯の笑顔だったが、領民達には悪魔が舌なめずりをしたようにしか見えない。

「ひっ」という小さな悲鳴があちこちから聞こえた。

 アルは腹を抱えて笑いをこらえている。

「ほら、ご挨拶も!」
「あ~、え~。夕食を用意した。食べていけ」

 ジークはぶっきらぼうにそれだけ言うと、ぷいと背を向けてしまった。仕方なくアルがフォローを入れる。