「アルがリーズを好きなのは、なんとなく気づいていたぞ。だからこそ、あえてアルの前で縁談の話をしてみたりしたのだ」

 ジークがそんな気の利いたお膳立てを思いついたことも意外だったが、アルの気持ちを知っていたことはもっと驚きだった。

「うまくまとまって良かった、良かった」と、ジークは満足度な顔をしている。

「えぇ? なんでわかったんですか? どこらへんで?」

 アルのあの態度に恋心など含まれていただろうか。そして、色恋などいうものには誰よりも鈍感なジークがなぜそれに気がついたのだろう。エイミは不思議で仕方なかった。

「う~ん。なんでと言われても」

 ジークは首をひねった。

「アルは長い付き合いで、半身のような存在だ。なにも言われずとも、あいつの考えていることは大体わかる。理屈ではないな」
「そ、そうですか……」

 エイミはそれきりなにも言えなかった。想像以上にショックが大きい。

 だって、熱烈な愛の告白にしか聞こえない。